H25-2[41] 実技試験1ドリル・サンプル
次の資料を基に以下の問題に答えよ。ただし,UTCは協定世界時を意味し,問題文中の時刻は 特に断らない限り中央標準時(日本時)である。中央標準時は協定世界時に対して9時間進んで いる。なお,解答における字数に関する指示は概ねの目安であり,それより若干多くても少 なくてもよい。
図1 | 地上天気図と釧路の観測値 | XX年9月15日9時(00UTC) |
図2 | 300hPa天気図 | XX年9月15日9時(00UTC) |
図3 | 500hPa天気図 | XX年9月15日9時(00UTC) |
図4 | 850hPa天気図 | XX年9月15日9時(00UTC) |
図5 | 気象衛星水蒸気画像 | XX年9月15日9時(00UTC) |
図6 | 日別海面水温解析図 | XX年9月15日 |
図7 | 台風72時間進路予想図 | |
図8 | 500hPa高度・渦度24時間予想図(上) | |
地上気圧・降水量・風24時間予想図(下) | ||
図9 | 500hPa高度・渦度48時間予想図(上) | |
地上気圧・降水量・風48時間予想図(下) | ||
図10 | 500hPa高度・渦度72時間予想図(上) | |
地上気圧・降水量・風72時間予想図(下) | ||
図11 | 500hPa気温,700hPa湿数72時間予想図(上) | |
850hPa気温・風,700hPa鉛直流72時間予想図(下) | ||
図12 | 沿岸波浪24時間予想図(上),48時間予想図(下) | |
図13 | 名護の地上観測値の時系列図 | XX年9月16日0時(15日15UTC)~12時(03UTC) |
図14 | レーダーエコー合成図 | XX年9月16日6時(15日21UTC) |
図15 | 850hPa相当温位・風48時間予想図 | |
図16 | 相当温位・風の鉛直断面48時間予想図(図15のA-Bに沿う断面) | |
表1 | 五島市の注意報・警報発表基準とガイダンス資料 | XX年9月16日~17日 |
予想図の初期時刻は,いずれもXX年9月15日9時(00UTC) |
XX年9月15日から17日にかけて東シナ海を北上した台風と,それに伴う気象の解析と予想 に関する以下の設問に答えよ。予想図の初期時刻は,いずれも9月15日9時(00UTC)である。
問1
図1は地上天気図(図にはない釧路
の観測値を別枠内に示してある),
図2は300hPa天気図,
図3は500hPa天気図,
図4は850hPa天気図,
図5は気象衛星水蒸気
画像であり,いずれも15日9時(00UTC)のものである。また,
図6は15日
の日別海面水温解析図である。これらを用いて以下の問いに答えよ。
(1) 図1を用いて沖縄の南の
台風第XX号について,中心付近の最大
風速値を,1の位を二捨三入して5m/s刻みで答えよ。この場合,二捨三入とは,1の位が1か
2のときには0,3~7のときには5とし,8か9のときには10として切り上げることをいう。
また,強風域の最大半径とその方位を答えよ。ただし,最大半径は,1海里を1852mとし,
1の位を四捨五入して10km刻みとせよ。
解答:[3点]
最大風速:正解 m/s
強風域最大半径:正解 側
正解 km
(2) この台風の強さと大きさの階級を答えよ。また,この台風に対して発表されている海上
警報の種別を答えよ。
(3) 日本の東から日本のはるか東の北緯40°より北の領域に発表されている海上警報の種別
を答えよ。また,釧路の現在の天気を国内式で答え,その天気が示す大気現象が発生した要因
を,気圧配置,釧路の地上観測値,図6
の海面水温に着目して40字程度で述べよ。
解答:[7点] 海上警報:正解 釧路の天気:正解 発生要因:正解
(4) 図2と
図3を用いて,300hPaで北緯40°より
南にあるトラフの位置を解答用紙の図に実線で記入するとともに,これに対応している500hPa
のトラフとの位置関係を簡潔に答えよ。また,ジェット気流に対応して
図2
に表れている強風帯の中心線を,東経120°~東経140°の範囲について同じ解答図に破線で記入し,
これに関連して図5
の気象衛星水蒸気画像でみられる特徴を簡潔に答えよ。
解答:[10点] (図参照) 500hPaトラフとの位置関係:正解 水蒸気画像の特徴:正解
(5) 図1で東シナ海から日本海に解析されている前線の種類を答えよ。
また,図4でこの前線に最もよく対応している850hPaの等温線の値を
答えよ。
問2
図7は72時間先(18日9時)までの台風進路予想図である。また,
図8、
図9、
図10は500hPa高度・渦度(上),地上気圧
・降水量・風(下)の24時間,48時間および72時間予想図であり,
図11
は500hPa気温,700hPa湿数(上),850hPa気温・風,700hPa鉛直流(下)の72時間予想図,
図12は沿岸波浪の24時間予想図(上)および48時間予想図(下)である。
これらを用いて以下の問いに答えよ。
(1) 図8(上)、
図9(上)、
図10(上)を用いて,24時間後から
72時間後までの,5760mの等高度線が東経120°線を横切る緯度の変化とそれに対応する高度場
の変化について,緯度値を示して30字程度で述べよ。
解答:[4点] 正解
(2) 同様に24時間後から72時間後までの,北緯35°付近における5880mの等高度線の位置の変化
とそれに対応する高気圧の勢力の変化について,経度値を示して35字程度で述べよ。
解答:[4点] 正解
(3) 台風の72時間先までの進路予報について,以下の問いに答えよ。
① 問2(1)で着目した高度の場から見たときの,台風の進路の予想を15字程度で述べよ。
② 台風は,次第に東よりに向きを変える予想となっている。この理由を二つ,それぞれ20字
程度で述べよ。
(4) 図7および
図12を用いて,台風が進路予想図
の予報円の中心に沿って進んだ場合に,17日9時までに全部または一部が暴風域に入ると予想さ
れる地域と,同じ期間に海上で大しけ以上が予想される地域を下記の枠内からすべて選び,
記号で答えよ。
(5) 図11を用いて,18日9時における台風周辺の500hPaおよび850hPa
の気温分布について述べた次の文章の空欄(①)~(④)に入る適切な語句または数値を記入せよ。
解答:[4点] 正解
問3
図13は台風の中心がすぐ近くを通過した名護(沖縄県)における16日の
地上観測値の時系列図,図14は16日6時の沖縄付近のレーダーエコー
合成図である。これらを用いて,台風周辺の風と雨の特徴に関する以下の問いに答えよ。
(1) 台風の中心が名護付近を通過するときの移動速度を20ノットとし,台風の構造に変化がない
と仮定したときの暴風域の半径を,1の位を四捨五入して10km刻みの値で求めよ。
解答:[4点] 正解 km
(2) レーダーエコー合成図に見られる台風の中心付近における降水分布の特徴を25字程度で
述べよ。
解答:[3点] 正解
問4
図15は850hPa相当温位・風の48時間予想図であり,
図16は
図15の線分A-Bで切った相当温位・風の鉛直断面予想図である。
これらと図9,
図10を用いて以下の問いに答えよ。
(1) 図15にみられる西日本から東日本にかけての気流の特徴を,
図9(下)の気圧分布に関連付けて40字程度で述べよ。
解答:[5点] 正解
(2) 図16から読み取れる17日9時の大気の特徴を述べた次の文章の空欄
(①)~(⑤)に入る適切な語句を記入せよ。
解答:[5点] 正解
(3) 図9(下)で,四国付近を中心に予想されている12時間降水量の極大値
を答えよ。また,大きな降水量が予想されている要因を,それがどのような場所で予想されてい
るかも含めて50字程度で述べよ。
(4) 図10(下)の降水量予想に基づいて,日本付近の降水に関する防災上の
留意点を,台風の位置と関連させて35字程度で述べよ。
解答:(4)[4点] 正解
問5
表1は五島市(長崎県:位置を
図1に示す)の注意報
・警報発表基準と9月16日から17日にかけての同市の最大1時間降水量,最大3時間降水量,土壌
雨量指数,流域雨量指数,最大風速,波高および潮位に関するガイダンス資料である。これを
用いて以下の問いに答えよ。
(1) 各気象要素がガイダンスの通りに推移するとした場合,暴風・強風と波浪について注意・
警戒すべき時間帯をまとめた解答用紙の表に,注意を要する時間帯には○印,警戒を要する
時間帯には◎印を記入せよ。
解答:[6点] :表参照
(2) 注意報・警報は,その現象の要素の値が発表の基準値に到達すると予想される数時間前
(この時間差をリードタイムという)を目安に発表される。この事例でのリードタイムを6時間
とした場合,暴風警報と波浪警報が発表される時間帯を日付を明示し府県天気予報での時間
細分の用語を使ってそれぞれ答えよ。なお,発表されない場合には,「発表なし」と記入せよ。
(3) 五島市に予想される雨・風と,防災事項について述べた次の文章の空欄(①)~(⑨)に
入る適切な語句を記入せよ。このうち,①②⑥については,量的予報で使われる用語を用
いて答えよ。また,時間帯については日付を明示し府県天気予報での時間細分の用語を用
いて答えよ。
解答:[9点] 正解